民間でマイクロストラテジー(MSTR)のNAVを計算する方法は以下の通りです。

NAV=資産負債 \text{NAV} = \text{資産} − \text{負債}

MSTRをBTC ETFとして見る場合、この計算方法は適しています。しかし、MSTR公式の説明は異なります。

指定日現在のBTC保有量に対する倍率は、当社が定義する企業価値(Enterprise Value)をBTC保有量で割って算出します。
当社の企業価値は以下の通り算出されます。
(A) 発行済みのすべてのMSTR普通株式(クラスA普通株式およびクラスB普通株式)の時価総額。クラスA普通株式およびクラスB普通株式の発行株数に、適用日のナスダック・グローバル・セレクト・マーケットにおけるクラスA普通株式の終値を掛けた値。
(B) 当社の借入金の合計元本額。
(C) 当社発行の永久優先株式の総名目価額。
から (D) 最新の報告に基づく現金残高価値を差し引いたもの。

mNAVは「NAV」という名称を含みますが、伝統的な金融コンテキストでの「正味資産価値(Net Asset Value)」や「NAV」、またはそれに類する指標と同じ意味ではありません。
また、伝統的な意味における純資産価値を企業価値が上回る差額を示す指標でもありません。

投資家は、当社のSECへの提出書類に含まれる財務諸表およびその他の開示情報に基づいて判断すべきです。この指標は補足的なものであり、財務諸表や開示情報の代替ではありません。その目的や制限を十分に理解している経験豊富な投資家のみが利用すべきです。

したがって、MSTRの解釈によれば、mNAVは名前に「NAV」が入っていてもNAVではなく、単位を持たない倍率であり、正しい計算式は以下の通りです。

mNAV=EVBTC価値 \text{mNAV} = \frac{\text{EV}}{\text{BTC価値}}

ここでEV(企業価値)は次の式で表されます。

EV=時価総額+総負債+優先株式現金 \text{EV} = \text{時価総額} + \text{総負債} + \text{優先株式} - \text{現金}

つまり、

  • mNAV ≈ 1:企業価値 ≈ BTC保有価値
  • mNAV > 1:市場が中核事業にプラスの評価を与えている
  • mNAV < 1:割引評価または多額の純現金保有

データと方法

私の目的は民間の方法ではなく、MSTR方式でmNAVを計算することです。計算式は以下の通りです。

market_cap = mstr_close * shares
ev         = market_cap + debt + preferred_equity - cash
btc_value  = btc_holdings * btc_close
mnav       = ev / btc_value
           = (market_cap + debt + preferred_equity - cash) / (btc_holdings * btc_close)

mstr_closesharesdebtpreferred_equitycashはYahoo Financeから直接取得できます(debtpreferred_equitycashは四半期報告書から読み取り、過去に遡って補完します)。btc_holdingsbtc_closeMSTR公式サイトから取得します。

これでmNAVを算出できます。この計算プロセスはAIに任せてvibe codingで完成させました。

TradingViewでのグラフ作成

mNAVは事前に計算できるため、pine scriptで計算する必要はありません。前段階で得られた結果を直接pine scriptに組み込むだけです。

こちらで公開しているスクリプトをそのまま利用できます。