本日、Raycast for Windows Beta版の案内メールを受け取り、v0.37.13.0をダウンロードしてテストを開始しました(2025/11/21 に自動で 0.38.0.0 へアップデート)。これまではmacOSユーザーの友人たちが「Raycastで作業効率が劇的に向上した」と自慢しているのを見てきましたが、ついにWindows上で、他のランチャー(Launcher)としっかり比較できるようになりました。

1. Raycast for Windows の機能

  • アプリランチャー
  • Raycast AI
  • 計算機
  • クリップボード履歴
  • ファイル検索
  • クイックリンク
  • スニペット
  • 絵文字ピッカー
  • エクステンションストア
  • 独自エクステンションの作成
  • ウィンドウ管理コマンド
  • システムコマンド

2. アプリランチャー (App Launcher)

ランチャーはRaycastの基本的な機能で、Windowsの一般的なランチャーと操作はほぼ同じです。

  • 設定可能なショートカットキー Alt+Space を押す
  • 入力欄に実行したいコマンドやエイリアス(Alias)を入力
    • 下部リストが一致する項目をフィルタリング
    • ダブルクリックまたは Enter で実行
    • Ctrl+K または右クリックでコンテキストメニューを表示

3. Raycast AI

入力欄に質問を入力し、Tab を押すとAIとの対話画面に切り替わります。

4. 計算機 (Calculator)

4.1. 数値演算

  • 入力欄に直接計算式を入力
  • 数値演算例:3.14 + 2
    • Enter:結果をシステムのクリップボードに保存
    • Ctrl+Enter:アプリケーションに貼り付け
    • Ctrl+Alt+C:式と結果をクリップボードへコピー

4.2. 単位変換

  • 1" → 2.54 cm
  • 1inch → 2.54 cm

4.3. 通貨換算

  • 1 ntd to krw(韓国ウォン)→ 47("to"省略可)
  • 1 rmb to ntd、1 cny to ntd(人民元)→ 4.42
  • 1 ntd to jpy(日本円)→ 5

4.4. タイムゾーン変換

  • time sin(シンガポール)
  • time tokyo

4.5. 日付計算

  • 2025/11/21 - 2026/12/31 = 1年1か月1週間3日

5. クリップボード履歴 (Clipboard History)

Clipboard History の右クリックメニュー → 【Configure Command...】 → 【Set Hotkey...】でグローバルホットキーを指定可能。コピーした履歴項目を、このキーで即呼び出せます。

DittoCopyQ を使っている場合は、この機能は不要かもしれません。

gh|597

  • 【設定】→【File Search】→【Search scope】で検索対象フォルダを追加
  • エイリアス(例:sf)を設定すると即検索画面に移動可能
  • ファイルを見つけた後、右クリックメニューから Alt+Shift+C でパスをコピー可能

PATH変数外のフォルダにある実行ファイルを、create quicklink と入力してQuickLinkに追加可能。以後はあいまい検索で名前を入力し実行できます。

現状はドラッグ&ドロップや直接コピーでの登録は不可。

gh|603

私は Everything search engine で実行ファイルを探し、Raycast入力欄に貼り付けて右クリック→Save as Quicklinkで登録しています。

gh|700

7.1. {…} パラメータの利用

Quicklink の Link欄ではパラメータ使用が可能。左波括弧 { を入力するとメニューが表示されます。

例:Name が map の場合

https://www.google.com/search?q={argument name="住所"}

map と入力後、Tab または Enter で住所入力欄へ移動。

gh|441

8. スニペット (Snippets)

定型文とキーワードを登録し、キーワード入力で展開・挿入。AutoHotkeyのホットストリングに似た簡易機能です。

波括弧でパラメータを挿入可能。下例ではキーワード ,ma を入力し a の時点でパラメータ入力画面が表示され、入力後 Ctrl+Enter で内容を貼り付け。
※ キーワードはグローバル適用です。

▼ スニペット作成

gh|700

▼ 実行例

gh|700

9. 絵文字ピッカー (Emoji Picker)

Win+; でもWindows標準の絵文字パネルを開けますが、標準機能は英語入力での検索に制限があり、必要に応じて中国語などで探す必要があります。Raycastなら英語でも検索可能。

例:エイリアス(emoji)を設定しておくと素早く呼び出し可能。

10. エクステンションストア (Extension Store)

「store」と入力すれば素早く拡張機能インストール画面へ移動。既に1000以上の拡張があり、多くはコミュニティ製。macOS専用のものもあるため、事前に説明文を確認しましょう。

11. その他

Windows Management Commands や System Commands はインストール時に自動で利用可能リストへ追加されます。よく使う機能にはエイリアスやホットキーを設定すると便利です。

12. 発生した問題

12.1. ウィンドウUIの問題

最初に遭遇したのはUIの問題。設定ウィンドウでアプリ名が一部しか表示されず、ウィンドウ幅を変更できないため名前確認が困難。ただし、別PCでは正常に表示される場合もあり、解像度やフォントサイズが影響している可能性があります。

gh|700

gh|700

12.2. ショートカットキーが効かない

アプリ内で Alt+Space を押してもRaycastが開かないことがあり、原因は不明。

13. まとめ

まだ使い始めて間もないですが、RaycastはBetaとはいえ非常に完成度が高く、動作も安定。今後が楽しみなプロダクトです。

RaycastがWindowsへ進出した今、uToolsやWoxなどの類似ツールはどうなるでしょうか。しばらく様子を見たいと思います。

14. 💡 関連リンク

✅ 解説記事(繁体字中国語): https://jdev.tw/blog/9097/
解説記事(英語)
解説記事(日本語)


Raycast Windows Beta Manual